ブラック介護施設で働いた2年間は待遇が最悪だっただけではなく、人間関係=共に働く介護士の人間性にも大きな問題がみられました。
ボク自身、決して立派と言える人格の持ち主ではありませんが、そんなボクでも「介護士としてというよりも人としてそれは最低なことだろ!」と怒りを感じることが度々ありました。
ブラックな介護施設で最悪な人間関係について共感していただくことで、「あなたがそこで働きつづけることは間違っている」ということを自覚していただき、あなたがその次のステップへと進める手助けとなることができれば幸いです。
お疲れさまです。
40代・現役「派遣」介護福祉士の小林です。
ボクは三流大学卒業後職を転々とし、行きついた先がサービス残業80時間/月は当たり前の地獄級ブラック介護施設(老健)でした。
そのブラック介護施設で2年間働きましたが「このままでは死んでしまうかもしれない……」と思い、40代にして派遣介護士として働くことを決断。
正直友人たちからは「無謀だろ!」「アホか!」と言われましたが……
現在のボクはホワイトな労働環境で高時給(1700円)+自由度の高い「派遣介護士」として働き、結婚もして心身ともに安定しながらガッツリと稼ぐことができています。
介護士としては、
- 老健(正社員・超絶ブラック介護施設:2年勤務)
- 有料老人ホーム(派遣・夜勤専従)
- 高級有料老人ホーム(派遣・夜勤専従)
- 特養(派遣・フルシフト)
- 高級有料老人ホーム(派遣・フルシフト)
の介護施設勤務を経験しています。
現在はきらケア派遣に登録し、高時給+高待遇のホワイト介護施設(高級有料老人ホーム)で派遣介護士として働いています。
ボクがブラック介護施設から無事脱出(退職)し、高時給(1,700円/時)で自由度の高い生活を手に入れることができたのは派遣介護士として働く道を選んだからです。
ちなみにボクが勤めている東京都の最低賃金は985円なので、その約1.7倍の時給を稼ぐことができています。
1,700円の時給で一日8時間で一月に22日(週休二日)間働いた場合、概算で約30万円という額を介護士として稼ぐことができるのです。
しかも、
- 働きだした初月から
- サービス残業なし
という条件でです。
高時給で質の高い派遣介護士の求人情報を取り扱うきらケア介護派遣について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
- ハロワ通いなどの転職活動の面倒がなく
- 転職失敗の確率を下げられ
- 自分に合わない職場だと思ったら2ヵ月で簡単に転職でき
- 退職の手続きなど面倒が一切なく
- 人間関係に悩むリスクを最小限に抑えられ
- しかも正社員よりも稼ぐことができる
そんな派遣介護士という働き方は、処遇改善がまだまだ進んでいない介護業界では最強の働き方だとボクは断言できます。
あなたも転職の選択肢に入れてみる価値は十分にあるのではないでしょうか?
ただし、あなたが無資格の状態でブラック介護施設からの脱出(転職)を考えられている場合は、きらケア介護派遣よりもかいご畑がオススメです。
かいご畑についての詳細はコチラの記事にまとめてありますので、読んでいただけると理解が深まります。
かいご畑をオススメする一番の理由は、自費ならば10~20万円もの費用が必要となる「実務者研修」が無料で取得できてしまう制度=キャリアアップ応援制度があるからなんです。
しかも、働き先を紹介してもらえて、仕事をしながら実務者研修を取得できてしまうため、生活費に困ることもありません。
2重に経済的負担を削減できてしまうかいご畑は、無資格での介護業界転職組にはめちゃくちゃ心強い味方なんです。
人手不足の介護業界では無資格でも経験があれば転職先には困りません。
ですが、より高待遇でホワイトな職場で働く確率を高めるには、実務者研修を持っているに越したことはありません。
ちなみに、超絶ブラック介護施設(老健)に正社員として勤めていた時は、一月に夜勤7~8回入って手取りは20万円前後でした……。
㊟老健=ブラックという訳ではありません。
目次
利用者の方の気持ちなんか無視!自分のことしか考えない超手抜きの最悪な介護をするK氏
ブラック老健勤務時代ボクが最も苦手だったのが介護職員がK氏(30代前半:男性)です。
女性介護職員が7割以上と圧倒的に男性介護職が少なかったため、ボクとしては少ない男性介護職同士力を合わせて良好な人間関係を築いていきたいと思っていました。
しかし、先輩介護士であったK氏はボクに対してなぜか異常にライバル心というか、敵対心を持っていました。
日勤帯で複数の介護職員と共に食堂で食事をとるとき、あたかもボクがそこにいないかのように会話をしました。
他の女性職員の方が気を使ってボクに話題を振っても、K氏は無視するような対応をするのです。
それだけならまだいいのですが、排泄介助時や移乗介助の時に介護職初心者のボクが困っていても見て見ぬふりで助けてくれることはありませんでした。
ボクに対してはとても冷たかったのですが、女性介護職員に対しては「それはやりすぎだろ!」と思えるほどに気を使い、というか媚び(コビ)へつらっていました。
とくに看護部長に対しての持ち上げっぷり&「俺、めっちゃ頑張ってるんです!」猛アピールには……見ていて鳥肌が立つほどでした。
看護部長がフロアに姿を現すといちはやく駆け付け、「あ、部長!リップの色変えました!?めっちゃくちゃ似合ってるじゃないですか!」などとまくし立てるのです。
持ち上げが一段落すると今度は「いやぁ~、夜勤帯で下剤が入ったから、今日は便失禁と全更衣の嵐ですよ~。でも、全然大したことないっすけどね!」と、自分がいかに汗水たらして一生懸命に働いているかをウザいぐらいにアピール。
他の介護職員が視線を合わせて失笑していることに気づいていないのです。
後々、仕事中は常に部長が現れる階段やエレベーターの方向を意識しているのだということがわかり、「この人は何のためにこの仕事をしているのか……」とボクには理解不能状態でした。
こんなK氏との夜勤は最悪でした。
最悪であったのは人間関係だけではありません。
入居されている高齢者の方々を「人とは思わない」最悪な手抜き介護の姿勢も目に余るものがありました。
その最悪な「ヒドイ手抜き介護」3つをお話しします。
最悪な介護①「就寝前の排泄介助時にパジャマに更衣介助をしない」
利用者の方が就寝時にパジャマ(寝間着)に着替えるというのは普通のことです。
しかし入居されている利用者の方々は自身で着替えができる方をのぞき、4~5割の方はパジャマへの更衣介助(一部介助~全介助)が必要な方々でした。
就寝前の排泄介助にはこの更衣介助がセットになっているのが基本です。
排泄介助(オムツ交換orパット交換orトイレ誘導+清拭)&パジャマへの更衣介助をおこなうという、起床介助と並ぶ夜勤帯の一大業務です。
この時にK氏は……パジャマへの更衣介助をおこなわないのです!
しかも、その手抜きがばれないように「手抜き工作」をするのです。
手抜き工作とは、利用者の方のパジャマをすべて「汚れ物」として洗濯用ネットに突っ込んでしまうのです。
「○○さん、パジャマに着替えていないんだけどなんで?」と突っ込まれても、「いやぁ~パジャマ全部汚れちゃってたから、着替えがなかったんですよ~」と言い訳をするために。
自身が楽をするために、自身の仕事が早い(?)ことをアピールするために、ボクを「仕事遅いっすね~(笑)」と見下すために。
使用していないパジャマもわざわざグチャグチャにしてネットに突っ込むという、手の込みようであるためボクは気づきませんでした。
しかし、K氏とは別のある夜勤の時にしっかり者のTさん(40代女性)に「K氏って更衣介助しないでしょ?」と質問をされたのです。
そしてなぜK氏の夜勤帯での排泄介助が異常に早いのか、その理由「更衣介助をしない=パジャマをすべて洗濯物に出してしまう」を知ることとなったのです。
Tさんの話では「早番で洗濯物の仕分けをしていて思ったんだけど、K氏の夜勤の翌日ってめっちゃパジャマの洗濯物が多いんだよね。しかも、一回も着ていないようなパジャマがネットに突っ込まれているから、これはおかしい……って気づいちゃったんだよ」ということなのです。
この話を聞いたとき、にぶいボクでも「やっぱり!」と思ってしまいました。
この手抜き介護は自身ではパジャマに着替えることができない利用者の方をそのまま寝かせ、ご家族には必要ない洗濯費用までを負担させることになるのです。
自分のことしか考えないヒドイ行為です。
最悪な介護②「オムツの上からリハパンをはかせる」
ある夜勤の時のこと。
K氏が「小林さん(ボクのこと)仕事遅いっすねぇ~。
一つだけ仕事をはやくする方法を教えてあげますよ。
就寝介助の時にオムツの上にリハパン(リハビリパンツ・紙パンツ)も履かせちゃうんですよ。
そうすれば朝の起床介助の時にいちいちズボンを脱がせたり、履かせたりする必要ないし、オムツから(尿や便の)漏れがあってもカバーしてくれるから一石二鳥なんすよ。
仕事が早くなるから絶対やった方がいいっすよ」
と平然と言ってきたのです。
夜間帯はオムツ対応でも、日中はトイレ誘導をおこなうため起床介助時にリハビリパンツに履き替える利用者の方が多かったため、手抜きをするためにこの方法をK氏は考え出したのです。
オムツはだいぶ進化してきてはいますが、普通の布製のパンツと比べれば締め付け具合・ゴアゴア感・ムレなど違和感があるはずです。
それなのにさらに、オムツの上からリハビリパンツをはかせる。
夜間尿量が多い方の場合は、オムツ+大型パット+小型パット+リハパンを付けて寝ることとなるのです。
これって……めちゃくちゃ違和感ありますよね。
ボクは絶対にやりませんでした。
そして後にこの方法は看護部長に見つかり、K氏は呼び出しをされました。
ブラック老健勤務時代にあの時ほど胸がスーとする出来事はありませんでした。
最悪な介護③「起床介助を4時からはじめてしまう」
K氏は夜勤の時に必ず「先休憩」を選びました。
ボクとしては後休憩の方が起床介助時に体が楽なので嬉しいことではあったのですが、利用者の方にとってはまったく理不尽な「介護」を強制的にされることであったのです。
基本的に起床介助のスタート時間は5時半です(本来ならば6時以降のスタートが理想ですが)。
ただ、介助量の多い利用者の方が多い時期や、下剤が入ったときは5時からスタートする時もありました。
そうしないと朝食に間に合わないという現実があったからです。
しかし、K氏が夜勤の場合は「4時」に起床介助をはじめてしまうのです(看護部長やフロア主任が夜勤の時は開始時間を5時以降に遅らせていました)。
4時は朝というよりも、まだ夜中に近い時間帯ではないでしょうか。
その時間帯に強制的に起こされてしまうのです。
起されてしまう利用者の方は、自身では立ち上がることができない、文句を言うこともできない、常時車いす対応の認知症の方だけです。
K氏の理不尽な行為に対して抵抗ができない高齢者の方だけを対象に、自身のエゴを押し付ける介護……介護士以前に人として最低・最悪です。
なのでK氏が夜勤明けの日勤帯は、車いす上で崩れるように寝てしまっている高齢者の方々が多くみられました。
現在ボクが勤めている高待遇で働きやすいホワイトな有料老人ホームでは、そのような利用者の方は居室に誘導してベッドで休んでいただきます。
しかしブラック介護施設では人手が足りないため、居室に誘導してベッドに移乗介助をして休んでいただき、昼食の時などに再び車いすに移乗介助をして誘導するという時間も人手もなかったのです。
なので「申し訳ない……」と思いながら、車いすからずり落ちてしまわないように時々体勢を立て直す介助をすることしかできませんでした。
夜勤の相方としては、自身がまだ休憩中にK氏が起床介助をはじめているため仕事の負担は軽くなります。
なので介護職員からは不満の声は出ませんでした。
K氏以外の多くの介護職員は、この「4時から起床介助を始める」ということに人として道を外れているという理不尽さを感じてはいました。
しかしボクを含めたK氏以外の介護職員も、K氏のこのやり方に異論を唱えることができませんでした。
なぜなら、ブラックな環境での介護業務に心身ともに疲れ果てていたからです。
正直、すこしでも「楽」をしたかったのです。
なのでK氏だけを悪者扱いにすることはできません。
K氏と同罪なのです。
ブラック介護施設で働き続けるということは、自身の人間性をも低下させてしまうことにもつながるのだと思いました。
ブラック介護施設を作っているのは経営陣だけではありません。
「そこで働き続ける介護士もブラック介護施設の存続に加担している」ことになるのです。
なぜなら介護職員が絶対的に足ら無くなればブラック介護施設は運営ができなくなり、閉鎖せざるを得なくなるからです。
ブラック介護施設で心身とも消耗して働き続けることは、あなた自身、入居されている高齢者の方、双方を不幸にしてしまうことなのです。
あなた自身の介護士としての可能性をつぶし、人生を楽しんで生きる機会を奪うだけではないのです。
ブラック介護施設が閉鎖され、高齢者の方々がもっと質の高い介護施設に移動できる可能性をも奪ってしまうこととなるのです。
高時給で働きやすい優良ホワイト介護施設で派遣介護士として質の高い介護サービスを提供する機会に恵まれ、未来への計画もしっかりと立てることができている現在のボクは、このことを強く感じています。
まとめ
「ブラック」「ホワイト」双方の介護施設を経験してきたボクが断言できること。
それは、「ブラックな施設ほど人間関係は最悪である」ということです。
ブラック介護施設ほど人間関係が最悪になる流れを具体的に説明すると、
低待遇(根本的な原因)
⇒常時求人を出しているのでマジメな人には警戒されてしまうため、問題のある人間が集まってしまう
⇒「仕事しない」「すぐトラブルを起こす」など人間関係で問題が起きやすい
⇒人間関係が悪化する
⇒退職者が続出
⇒施設側は根本的(低待遇)な改善をしようとしない
⇒人手不足で業務が激烈に忙しくなる
⇒心身ともに疲れ果て心に余裕がなくなる
⇒さらに人間関係が悪化(負のループ)
⇒「超絶」ブラック介護施設の出来上がり
というように理由は明確なんですよね。
待遇がいいから絶対的に人間関係もいいとは言い切れません。
ですが、高待遇な職場ほど質の高い介護士の方々が口コミなどで集まりやすいですし、離職率が低いということは業務の安定化にもつながるので、仕事がしやすくなり提供する介護サービスの質も高くなります。
すると、仕事をしない、問題のある人は「居づらく」なり退職。
さらに働きやすい職場になるという好循環が生まれるのです。
ただ、残念ながら現状はまだまだブラック介護施設が多いのが現状です。
なので、派遣介護士としていくつかの介護の現場を内側から体験し、「ここは高待遇なだけではなく働きやすいホワイト介護施設で間違いない」と見極め、正社員としての道を選ぶのが一番安全な方法と言えるでしょう。